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4月から5月。
春から初夏へ一気に移り変わるこの時季、
クローゼットの中にはウールのセーターが取り残されたまま
薄手のシャツがいきなり参入する。
冬から春まで大活躍したいちごやラズベリー、
赤い実のデザートと入れ替わり
緑の素材がそろそろ出番。
抹茶もそのひとつ。
カトルカールはパウンドケーキのこと。
フランス語で1/4が4つ。
バター、砂糖、小麦粉、卵、、、この4種類の材料、1/4ずつが基本のレシピ。
英語だと「1ポンドのケーキ」なのに、レシピがそのまま入った名前なんて!
こんなネーミングの仕方、ちょっとフランスっぽいと思う。
響きもかわいい。
暖かい季節のカトルカールはバターを使わず、
生クリームを泡立てて最後に入れる。
どっしりとした冬のパウンドケーキとは違って軽い口当たり。
しっとりほろほろとした口どけとともにふわっと抹茶の香りが広がる。
庭先のヴィオラの茎がびよ~んと徒長してくるとこれも終わり。
名残惜しいので、いちごと一緒に添えてみた。